大型二輪の一発(飛び込み)試験とは?実際に挑戦してきた!

コロナ禍の影響もあってか近年バイクブームが再熱しており、週末にはツーリングをしているライダーをたくさん見かけるようになりました。そこで中免(今は普通二輪免許というらしい…)しかもっていないおっさんライダーが、憧れの大型二輪に乗るため一発試験に挑戦してきました(笑)

この記事では大型二輪免許の一発(飛び込み)試験について記載しています。これから大型二輪免許の取得を考えている方の参考になればと思います。

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バイク免許の種類

出典:写真AC
【 種 別 】【 種 類 】
原  付
普通二輪・小型限定
(125㏄以下)
AT、MT
普通二輪
(400㏄以下)
AT、MT
大型二輪AT、MT

まずバイクの免許は排気量によって「原付」「普通二輪・小型限定」「普通二輪」「大型二輪」と分かれており、さらに原付を除くすべての免許にAT(オートマチックトランスミッション)限定の区別があり、全部で7種類に分類されています。

私は「普通二輪(400㏄以下)MT」の免許を所持しているため、400㏄以下のATとMTバイクには乗ることができますが、排気量が401㏄以上の大型二輪ATとMTのバイクには乗ることができません。

そして今回挑戦する免許は「大型二輪・MT」です。この免許を取得できれば排気量の制限もなくなり、すべてのバイクに乗ることができる二輪最高峰の免許となります(笑)

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一発(飛び込み)試験とは

まず 一発試験ってなに?! と思った方もいるのではないでしょうか。

昨今、バイク免許を取得するには自動車学校・教習所へ通うのが一般的です。しかし、今回挑戦する一発試験は自動車学校へは行かず、各都道府県の運転免許センターで行っている技能試験を受験する方法なのです。以前までは大型二輪免許を教習所で取得できなかったため、運転免許センターでの一発試験が唯一の取得方法だったようです。

大型二輪MTの場合

ちなみに一発と言うくらいなので技能試験を見事に合格することができれば、その日に免許を取得することができるのです。自動車学校へ通うことを思えば時間やお金も圧倒的にお得に済むのという訳なのです!

しかし、魅力的な一発試験ですが、そんな簡単に受かるはずもありません。運転技術はもちろんのこと、徹底した法規走行が求められます。そして試験官はなんと現役の警察官なのです…。

それでは一発(飛び込み)試験について、詳しく解説していきます。

手続き方法

運転免許センター

まず住民票がある地域を管轄する運転免許センターへ行き、手続きを行います。その日は受験申請をし、適正試験(視力検査等)を行います。問題がなければ技能試験の予約を取りその日は終了です。

受付日や受付時間、申請に必要なものを、事前にホームページで確認してから行くとスムーズでしょう。ちなみに受付や技能試験は平日のみしか行っておらず、土・日が休みのサラリーマンには時間の確保が難しいところです。技能試験を仮に1回で合格したとしても、最低2回は平日に休みが必要となります。

免許取得費用

一発試験での免許取得にかかる費用ですが、受験するたびに(申請手数料2,600円、車両使用料1,450円、合計4,050円)が必要となります。

例えば技能試験を10回受験したとすれば、4,050円×10回=40,500円が必要となりますが、それでも自動車学校へ通う費用(10万円ほど)と比べても安く済むでしょう。

そして技能試験に合格した場合のみ免許証交付料2,050円が必要となります。大型二輪車講習は普通二輪免許を持っていない場合、応急救護処置講習は、普通免許を持っていない場合に必要となります。

聞いたことはないのですが、もし仮に1回で合格することができれば、なんと6,100円で免許を取得することができちゃいます(笑)※普通二輪免許、普通免許を取得している場合

手 数 料金   額
受験手数料2,600円(受験の都度必要)
試験車使用料1,450円(受験の都度必要)
大型二輪車講習12,450円(技能試験合格時)
応急救護処置講習4,200円(技能試験合格時)
免許交付手数料2,050円(免許交付時のみ必要)
※大型二輪車講習は、大型二輪免許試験合格者がすでに普通二輪免許を受けている場合は、取得時講習は免除されます。
※応急救護処置講習は、普通免許をすでに受けている場合や医師等の方は、応急救護処置講習は免除されます。

大型二輪免許技能試験を受けれる条件とは

大型二輪免許の試験を受けれる条件は年齢が18歳以上であること、過去に免許取消処分等がなく、適性試験と事前審査を通過する事となっています。

事前審査は倒れている大型二輪車の引き起こし等をしなければなりませんが、普通二輪免許を持っている場合は免除されることもあるようです。

技能試験の採点基準

技能試験は100点からの減点方式で行われ、70点以上で合格、70点を切れば不合格となります。普段は普通二輪や車に乗っているので交通ルールは大丈夫だと思っていても、試験場ではどういった運転をすると減点されるのかを知っておくことが大切でしょう。

警察庁より詳しい採点基準が出されています。こちら

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技能試験の内容とは

技能試験は予め指定されたコースを法規走行します。その中にいくつかの課題走行があり、当然ながら運転技術も求められます。それでは課題走行について説明していきます。

スラローム

スラローム(進路転換)の走行は、等間隔に設置された障害物(パイロン)の間をS字状にバイクを傾けながら交わし、規定時間内で走行すること。アクセルの開閉を行いながら、バイクの反動を利用して左右に切り返す技術が求められます。

規定時間は車種によって異なります。下記タイムより1秒超過ごとに5点の減点となり、転倒や障害物に接触すると中止となります。

  • 大型自動二輪車:7秒以内で通過
  • 普通自動二輪車:8秒以内で通過

一本橋

一本橋(直線狭路)とは、長さが15m、幅が30cm、 高さが5cmの平均台を脱輪、転倒、エンストなどをせずに低速でバランスを保ちながら、規定時間をかけて走行すること。スラロームでは普通二輪と大型二輪のタイム差は1秒でしたが、一本橋は3秒以上の差があり大幅に難易度が上がります。

一本橋は規定タイムより短い時間で通過すると1秒ごとに5点の減点脱輪、足つきは中止となります。

  • 大型自動二輪車:10秒以上で通過
  • 普通自動二輪車:7秒以上で通過

急制動

指定速度(大型自動二輪車及び普通自動二輪車は40km/h以上)から、指定位置(急制動開始線)で急制動を行い、車輪をロックさせずに急停止区間内で安定した停止をすること。制動開始地点では速度が40 km/h出ている必要があります。

転倒や停止限界位置を超えて停止してしまうと中止となります。

  • 大型自動二輪車及び普通自動二輪車:乾燥時11m以内、湿潤時14m以内に停止。

波状路

波状路は9つの障害物が異なる間隔で設置された上を、立ち姿勢でバランスを維持しながら走行すること。尚、波状路は大型二輪のみ実技試験に設定されています。

規定タイムより早すぎると減点となり、足つきや転倒、コースから逸脱すると中止となります。

  • 大型自動二輪車:5秒以上で通過

その他

その他には「S字」「クランク」「踏切」「坂道発進」などの課題走行があります。

大型二輪の一発試験に挑戦してきた!

さぁ技能試験の日が来ました。ヘルメット、グローブを持ち、運転免許センターへ向かいます。

ちなみにヘルメット、グローブの貸し出しはないため、必ず持参しましょう。服装は長袖、長ズボン、靴はスニーカーです。

走行するコースは当日の朝に発表される

当日は受付時間より1時間ほど早く、免許センターへ着くように向かいます。というのも受付が始まるまでの間、実際にコース内を歩くことができるからです。この時にどの辺で方向指示器を出すかなど、イメージしながら歩きます。

受付の開始時間になると、当日の走行するコースを確認します。試験コースはAとBの2パターンあり、当日の朝にどちらのコースを走行するか掲示されます。コースを間違えても減点にはなりませんが、元のコースに戻る間の走行も審査内容に含まれるため、コースを暗記せずして合格はないと思った方がいいしょう。

受付を済ませいざ実技試験へ

受付を済ませ、実技試験まで30分ほどの待ち時間がありました。その間はコースの暗記、イメトレに夢中で励みます。

そして試験場へ移動し、試験官から説明を受けます。

当日の試験を受ける人は自分も含め5名、順番にゼッケンが渡されます。

いきなり名前を呼ばれ、ゼッケンを受け取けると1番の数字が。数字の順番で走行していくので私が1番です…なぜ…。この時いきなり緊張という文字が(笑)

そして名前が呼ばれ、いよいよ実技試験が始まります。

後方確認しバイクへまたがり発進。いきなり方向指示器を出し忘れます。(汗)

最初の直線で気持ちを落ち着かせようとします。

そして今度はコースを間違えます。(汗)あんなに完璧に覚えたはずのコースが頭から吹っ飛びます。(汗)

その後はお察しください。

1回目の実技試験は散々な結果に

その後はあまりの緊張で覚えていないのですが、初めての波状路でエンストをしてしまい、その勢いで転倒…。

中止です…。情けない…。恥ずかしい…。

そんなことで1回目は散々な結果となってしまいました。万全の準備をして行ったつもりですが、いざコースに出ると分からないこともあり、今後の課題が山積みです。

やはり一発試験はそう甘くはありませんでした。そして次の予約を取り、帰路に着くのでした。